ディスカッションとディベートの違い

「討論」という意味がある discussion(ディスカッション)と debate(ディベート)ですが、どう違うのかと聞かれたことがあります。この2語は似ているようで、明らかな違いもあります。

まずdiscussionは、ある問題や議題などについて互いに意見を述べ合うことを意味します。どの意見が正しいか、間違っているかという対立があるわけではなく、様々な意見を出し合うという場です。それに対してdebateは、「YESかNOか」、「肯定するか否定するか」「賛成か反対か」等の意見の対立が前提にあります。単に意見を出し合うのではdebateになりません。互いに議論をしながら、説得力を競い、勝敗が分かれるのがdebateです。

よく聞く言葉にgroup discussion(グループディスカッション)もありますが、採用試験などでも導入されることがあります。例えば、教員採用試験だったら「子供たちが国際社会で生きるために、どのような指導が望ましいと思いますか」というテーマについて、受験者に集団で討論させ、色々な意見を出させるのがgroup discussionになります。

これがdebateだと、例えば「子供たちの英語力を上げるために、外国人講師の数を増やすべきである」というテーマについて、「賛成側」と「反対側」に分かれ、なぜ賛成なのか、どうして反対だと思うのかなど、理由や根拠まで述べ、いかに相手を説得できるか競うことになります。アメリカで代表的なdebateといえば、大統領選挙の際に公開で行われる、民主党と共和党の候補者によるdebateがあります。これはまさに説得力が問われるもので、国民の関心もかなり高いです。

似ているようで確かな違いもあるdiscussionとdebateですが、違いを認識するだけでも言葉に対する理解力が深まります。

それぞれの使い方の例です。

We had a discussion during our staff meeting yesterday about what textbooks we should use.
(昨日の職員会議中に、どんな教科書を使うべきかディスカッションをした。)

Mike and I were talking about politics and it became a heated debate.
(マイクと政治について話していたら、激しいディベートになった。)※ここはdebateなので、二人の意見に食い違いがあったということになります。

discussion
debate
2020年02月01日